第4章 クリスマスor正月【岳人/長太郎/跡部】
ー三日目ー
三日目は鳳長太郎に教わる事にした。
「悠鬼先輩、本当に俺で良いんですか?」
『下手な人の相手するのイヤ?』
「そ、そんな事ないです!というか是非やらせて下さい!」
そう言って長ちゃんと身体を密着させてダンスの形に組んで見たけど、長ちゃんのお顔は耳まで真っ赤になっていて私から目を逸らしてしまう。
私に触れている手は遠慮しているのか、少し浮いていて震えている。
『長ちゃん!ちゃんとやらないと上手くなれないでしょ!』
「うわぁ!?……悠鬼先輩っ!」
長ちゃんの手を掴んだ私は脇の下にガッシリ触れさせ、もう片手をぎゅっと握って侑ちゃんや亮ちゃん達と同じように組ませる。
恥ずかしそうにしながら初々しく悶えている姿が本当に可愛くて、じーとその顔を見つめながら二人より少し長い時間練習をして意地悪を続けた。
「悠鬼先輩!もう見ないで下さい!」
『やだぁ~!もう少し楽しもうよ!』
(先輩が楽しんでるだけじゃ……っ……でも恥ずかしいけど、俺ももう少し悠鬼先輩と居たいな……)
ー四日目ー
「い゛っ!!」
『ごめんね!岳ちゃん、また……』
「でも少しはマシになったんじゃねぇか?」
『うん!まだちょっと間違えるけど足を踏む回数も減って来たよ!』
「完璧にしたいんだろ?今日は下校時間ギリギリまで付き合ってやるよ!」
『ありがとう、岳ちゃん!……でも一回くらい景ちゃんの足も踏んでやろうかなぁ?ヒールで!』
「それはマジで痛ぇからっ」
『へへへっ』
それから岳ちゃんは足を踏んでも文句一つ言わずに、本当に最後まで私の練習に付き合ってくれた。
完璧に出来る様になった頃、組み手を逆にして私がブンブン振り回して岳ちゃんをリードしたの!
『岳ちゃん!当日私と一緒にドレス着て行こう?』
「はぁ!?絶対ぇ嫌に決まってんだろ!」
『えぇー!!絶対似合うのに~』
「えぇじゃねぇよ!……でもスーツ着て誘いに行くから……相手しろよッ……」
『ふふっ……うん!』