第4章 クリスマスor正月【岳人/長太郎/跡部】
【テニスの王子様/跡部景吾編】
「クリスマスに俺様の家でパーティーを開くからな、それまでに社交ダンスの練習をして置けよ?……まぁ、庶民のお前に出来るとは思えねぇから俺様が仕方なく教えてやっても構わねぇぜ?」
と数日前に俺様部長に上から目線で言われた。
どうせ庶民の私はパーティーなんか無縁だし、社交ダンスなんか出来ませんよー。
でも出来ないままであの俺様に当日鼻で笑われるのはムカつくので、私は男子テニス部のレギュラー陣数人に変わりばんこでダンスを教わる事にした。
ー一日目ー
「先ずは組み手な?右手は俺の左手に、左手は俺の右手上腕に置いて……」
『えっと……上腕?』
「二の腕やな」
『やだ!侑ちゃんセクハラ~!』
「これがダンスのポーズやから堪忍やで」
一日目の先生は忍足侑士。
その日の授業が終わった後、壁一面に張られた鏡のある一室で基礎から侑ちゃんにダンスを教わる事にした私。
侑ちゃんは優しいし丁寧だから、こういう事を頼むなら一番適任だと思ったの。
ダンスの組み方を教えてくれた時に、侑ちゃんの右手が私の脇の下辺りに触れて来たから冗談交じりにセクハラ発言をした。
海外の映画とかではクルクルと綺麗に回って簡単そうに踊っていたけど、実際にやって見ると難しくて何度も侑ちゃんの足を踏んでしまった。
『ごめんね!侑ちゃん』
「えぇって当日までもう少し時間あるし、悠鬼ちゃんなら絶対出来るようになるで?頑張りぃ」
『うん!ありがとう!』
ニコニコと笑い合って、初日から楽しい時間を過ごせた。
ー二日目ー
二日目は宍戸亮が相手をしてくれたけど……
『亮ちゃんも下手っぴー!』
「お前が何回も足踏んで来るからだろ!」
『社交ダンスは男の子が女の子をリードするんだよ!ちゃんとリードしなきゃダメよー!』
「下手同士がやっても上達しねぇだろ!」
『大丈夫だよ!ほらほら頑張ってリードしてぇ?』
「てめぇ……悠鬼っ」
私はニコニコと楽しそうに亮ちゃんを振り回していたけど、正反対に亮ちゃんはムスっと不機嫌な顔をしていた。
何だかんだ文句を言ってたけど、その日下校時間まで練習に付き合ってくれたの!