第4章 クリスマスor正月【岳人/長太郎/跡部】
「悠鬼が俺のなんだって」
『私の!』
「俺のだって!」
子供っぽく下らない言い争いをするとお互いに可笑しそうに笑い合い、どちらかともなく甘い口付けを交わす。
(今度は俺が……)と岳人が相手の服に手を掛けると、その手を阻止されてしまう。
「悠鬼、良い加減俺にもヤらせろよ」
『もう一ヵ所だけっ』
首筋から下りていた悠鬼は岳人の胸に手を当てると、丁度心臓のある辺りに唇を触れさせて、そこはより一層強めに吸い付きぷっくりと真っ赤な跡を残す。
『岳ちゃんがずっと私を好きでいてくれますように』
「……っ……俺、そんなに信用ないか?」
『そうじゃないの、好きになればなる程欲張りになっちゃうの……付き合ってもっともっと好きになると不安になるの……この幸せが続けば良いなぁって』
「……悠鬼」
悠鬼とこの行為をする様になってから、彼女は良く岳人に跡を付ける様になった。
勿論、岳人からもするが跡を付けている時の悠鬼は、どこか不安そうで寂しそうな表情を見せる。
ずっとどうしたらその不安を取り除いてやれるのか模索している岳人だが、未だにその答えは見つけられないままでいる。
(俺にはこうしてやる事しか出来ない……)
そう思うと岳人も悠鬼の顔の方まで下りて行くと、額・目尻・頬と優しい口付けを落として行き、真っ直ぐ相手の目を見つめると軽く笑みを浮かべて悠鬼の唇に自分のそれを触れさせる。
今度は先程よりも深く熱く、まるで彼女を慰める様に甘ったるいキスをする。
酸素も喘ぎ声も漏らさない程の隙間を埋めると、舌を絡めて弄りながら悠鬼の服に手を掛けて下着を脱がして行く。
『……んっ……はぁ……』
「今度こそじっとしてろよ」
『……ぅん……』
岳人は悠鬼にそう告げると相手の胸へと顔を寄せて背中に腕を回すと、ぎゅっと抱き締めて彼女がした様に心臓付近に紅い跡を残す。
悠鬼は一つしか残さなかったが、岳人は更に三つの跡を残して相手を見上げる。
「ちょっとは不安消えるだろ?」
『……っ……私ももっと付ける!』
「もう良いよ!……あのな、俺はお前が思ってるよりずっと悠鬼が好きなんだよ……もっと俺を信じろって」
『……岳ちゃん』