第4章 クリスマスor正月【岳人/長太郎/跡部】
家族がいるので散々我慢していた自分をこうまで誘われたら、流石の岳人も拒めず悠鬼の横から上に移動すると、その柔らかい唇を奪う。
最初はちゅっちゅっと啄む様な軽いキスから深いものに変わり、悠鬼の口に隙間が出来れば舌を侵入させる。
自分から絡ませ様とした岳人だが、悠鬼はそれをさせてくれず相手の方から熱い舌を絡ませて来る。
一瞬ビクっと反応した岳人が下を見ると、彼女はからかう様に意地悪な眼差しを向けている。
それを黙って受け入れる岳人ではないので(この野郎っ)と対抗心を燃やせば、負けじと更に舌を押し込んで容赦なく吸い上げてやる。
『んぁあ!……ぅんっ……』
「っ!?」
意外に大きな声を出されて驚愕した岳人はビクゥ!!と肩を跳ねさせ、慌てて悠鬼の口を覆う様に塞いで声を押し殺す。
岳人が眉を顰めて悠鬼を見ると、相手はやはり悪戯っ子の様な笑みを見せている。
「……はぁ……悠鬼、ヤるなら声出すなって」
『無理ぃ……岳ちゃんが意地悪するからっ……』
「お前がっ……」
「岳人ー!お雑煮出来たから下りて来いって!」
岳人は悠鬼の発言を不服に思うと言い返そうとしたが、自室の扉をノックされて外から姉の声が聞こえて来れば硬直してしまう。
「あ、あぁ!……後で食べ……んッ……」
悠鬼から視線を外して扉の方を向いて姉に返答する岳人だが、パジャマを脱がされて彼女の舌が自分の首筋を舐めて来る感触に反応する。
「悠鬼……今はやめっ……」
「んー?何ー?」
「な、何でもねぇよ!」
コソコソ小声で悠鬼の行為を止めさせようとした岳人だが、相手はそれを無視して首筋を下から上へと舐め紅い跡を残しながら更に下へと下りて行く。
岳人は動揺しながらも姉に言葉を投げると、相手はやっとその場から居なくなり階段を下りて行く足音が聞こえる。
漸く人が居なくなれば岳人は安堵の息を吐き、今度は自分の番だと意地悪する悠鬼に手を伸ばす。
『ぁっ……やぁ、エッチ!』
「エッチなのはお前だろ……あんま跡付けんなって」
『岳ちゃんが浮気出来ない様にするの……岳ちゃんは私のでしょ?』