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【黒バス:R18】with gratitude

第5章 Additional happiness……?(黄瀬涼太)


「なんか最近、こう、生活が落ち着いたなって思うのは気のせいっスかね」

「あ……うん、私もそう思っていたよ」

息子ももうすぐ二歳になろうというところで、赤ちゃんの頃よりも長い時間纏まって寝てくれるようになったし、睡眠をとることで、心身共に余裕が出来てきた事を実感していた。

卒乳してからは、こうして夜お酒を酌み交わす事も増えたし、……夫婦のコミュニケーションの時間も出来るようになった。

それでも涼太は相変わらず忙しいひとだし、ずっと一緒に居られるというわけでもない。

そろそろ、私も少し働きに出た方がいいのかな……なんて、先日そんな話になったんだけれど、収入面で全く困っていないのに、子どもと離れるのはどうなんだろうと色々悩んでしまって。

こうして悩む事が出来るのも、気持ちに余裕が出来たからなのかもしれない。

最近の出来事をあれやこれやとお話しているうちに、ワインのボトルは底が見えてしまっていた。

「あ、まだ飲む? この間買ったのが……」

追加のお酒を持って来ようと、キッチンへ向かおうとした私の腕を、大きな手が捕まえた。

「っ、わっ」

涼太は無言のまま私の腕を引いて、バランスを崩したドン臭い私は、彼に向かって倒れ込んでしまった。

「ご、ごめんなさ」

起き上がろうとした身体はびくりともしなくて、そのまま大きな腕に抱き締められた。

「……涼太?」

おずおずと顔を上げた途端、熱い唇が私のそれと重なる。
そのまま、お互いの呼吸を奪い合うかのような激しいキスになって……身体中を巡る血液が沸騰したかのように、全身が熱い。

いつのまにか、涼太のスイッチが入ってしまっているみたいだ。
今までの会話は夫婦特有の話題で、色っぽいものは無かったかのように感じるのだけれど……。

でも、そんな事どうでも良くなるくらいに、涼太とのキスは気持ちがいい。

お腹の奥が、じんじんしてくる。
身体が勝手に、彼を求め始める。

「みわ……ベッド、行こうか」

ぼんやりと思考に靄をかけたまま、ゆるりと首を上下に動かした。




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