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【黒バス:R18】with gratitude

第3章 Sweets in the rain(紫原敦)


……このバスローブには、自分で着替えたんだよね?
きっと下着までビショビショだったんだろう、中は何も身につけてない。

「あ……っ」

大きな手が、バスローブの合わせから侵入して胸に触れた。
性急な愛撫に、身体がビクリと反応する。

慣れてるのか慣れてないのか、全く分からない。
体温の高い手が、ゆっくりと乳房を揉みしだくと、勝手に鼻にかかった声が漏れ出てしまう。

「ん……っ」

「……マシュマロみたいに、ふわふわ~」

「へ、っ?」

マシュマロ?
このガタイの男性から、思いもしない単語が飛び出した。
よりにもよってマシュマロ。

「なんでマシュ……んっ」

「先っぽ、硬くなってきた」

彼も、先程までのゆるい口調よりも余裕がなくなってきたみたいだ。

……興奮、してる?

この大きな胸、普段は肩が凝ったり垂れる恐怖と闘ったりしてて、いい事なんて何もないけど……

彼がこんな風に喜んでくれるのなら、良かったのかも。
……だから、なんでこんな風に考えてしまうんだろう。
元カレに、挟めるって喜ばれてもなんとも思わなかったのに。

暫く感触を楽しんだ後、生温い舌が先端をねぶった。

「んんっ……」

なんか、母性がくすぐられるんだ、このひと。
大きな身体なのに、味わうように乳首に吸い付く姿は小さな赤ちゃんみたいで。

男らしいのに子どもらしくて、掴みどころのない。

「……あぁっ!」

なんでこんなに感じてしまってるんだろう。
初めて肌を合わせるのに。
恋人でもなんでもないのに。

やばい。
やめるなら今しかない、そう思う。
これ、このまま進んじゃダメだ。
沼にハマって、抜け出せなくなる。

「ねぇ……っ、やめ、っ」

私が抵抗を見せると、予想外に彼はすんなりと身体を離した。

だから、どうして。
そんな顔をするの。

長い前髪が隠してくれてると思ってる?

彼の表情から滲み出るのは、戸惑い・後悔・それと……。

無理だよ、こんな関係。
だって私、まだ彼の名前すら知らないもの。


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