第11章 thank you for everything（黄瀬涼太）

細い背中に手を入れて起き上がらせ、対面座位になった瞬間、下腹部がじわりと温かくなる。
この角度だとちょうど弱いところを刺激するらしく、潮を吹くのが可愛くて。

「っは……っ、涼太、気持ち、いい……」

「ん……オレも」

繋がったまま強く抱き締め、渇きを埋めるかのように唇を重ねて、口でも体液を交わす。

こんな濃厚な行為は久しぶりかもしれない。
日々に追われ、たまにする時も彼女に疲れが残らないよう、淡白になることが多かった。

「ん、んぅ、ん〜〜……っ！」

背中が弓のようにしなり、絶頂を迎えた膣がまた収縮を始める。

力の抜けた彼女を押し倒してから、片足を肩に担ぎ上げ更に深くまで押し込んで、わざと動きを止めた。

最奥に圧をかけるように体重を乗せると、また強く締まり、声にならないような声が漏れる。

「っふ、ぅ、う、っあ……っ」

「動いて欲しい？」

「っ、は、ぁ……」

苦しそうに眉を顰めたままこくこくと頷く姿に即再開してあげたくなるけど、まだ動きたくない気持ちの方が大きい。

さっきまであれだけ激しくしていたのに、急に律動を止めたのがもどかしいのか、うねるように動く腰が、エロい。
とにかくエロい。
しかもその動きで擦れてめちゃくちゃ気持ちいい。

「……んー……っ、りょ、涼太ぁ、やめ、ないで……」

「ちょ、みわ……」

ぐちゅぐちゅと響く水音。
みわの腰つきがどんどん大胆になって、オレが腰を振ってなくても、ピストンしてるみたいになってる。
クリも擦れるのか、動くたびにビクンビクンと腰が震えて跳ねてる。

それに合わせて聞こえて来る、苦しそうなもどかしそうな嬌声が色っぽすぎる。

あ、やべえ、予想外の刺激に……っ！

「く……っ」

グッと歯を食いしばって耐えようとしても、腰から這い上がって来る快感に抗えない。
目から入ってくる情報が、どんどん興奮を増幅させていく。
油断してた。ダメだ、気持ち良すぎ。

半ば諦めてみわの唇に吸い付き、止めていた腰を振るとまたナカがヒクヒクして、きゅっと刺激されて……瞬間、脳天を強い快感が突き抜けた。

「っ、……ッ」

重苦しい腰が空っぽになっていくような感覚。
途中離脱してしまい申し訳ない気持ちと、彼女の中に精を吐き切ったという、歪んだ達成感がないまぜになる。