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【黒バス:R18】with gratitude

第11章 thank you for everything(黄瀬涼太)


「涼太っ、だめ、まだお風呂入ってな……っ」

「じゃあ風呂一緒に入ろっか」

あれよあれよという間に下着姿にされて焦っている姿が可愛い。
意地悪したい欲がふつふつと湧き上がってくるし、それを止める理性はもうほぼ機能していないようだ。

「で、でももう帰って来るかも」

「今さっき、姉ちゃん達と一緒に風呂入ってるってメッセージが来たばっかじゃないスか」

「そうでした……」

「夫婦水入らずは久しぶりなんだし、せっかくだからイチャイチャしたいんスけど」

「う、それは、うん、私もそうなんだけど……」

「え」

まさかの返事に、時が止まった。

「私もそれはね、うん、思ってるよ、でもなんかこう……恥ずかしくて……何したらいいのか分かんなくなっちゃって」

「なんだ、そんなこと? なーんもしなくていいんスよ、オレに任せて」

余裕ぶっこいてる感じでそう言ったけど、手にじっとりと汗をかいてるのに気づいた。

「わ、っ」

「今日は声抑えなくていいし、起きてくるかもって心配しなくて大丈夫っスよ」

「ん……っ」

「ほらもっと、口、あけて」

舌に吸い付くと、腰がびくんと跳ねる。
オレの背中に回してる手にも、二の腕を掴んでいる手にも、殆ど力が入ってない。

「ぁ、っ……」

挿入するとかしないとか、いや勿論したいけど、そればっかりじゃなくて。
もっともっと、触れ合いたい。
重なった唇の熱さも、絡み合う舌の動きも漏れ出る声も、肌が触れ合ったところから滲み出る安心感も、もっと味わいたい。

普段、世間に自分という存在を露出する仕事だからか、知らずにどんどんと自分自身を纏う膜が厚くなっていく。
厚くなった膜は次第に硬くなり、壁になって自分を守ろうとするのだと、この間赤司っちに会った時に言われたっけ。
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