第2章 unconfident(氷室辰也)
「みわは、いつも俺とキスをしている時、どうなっていたのかな」
「っ、ん」
茂みをさすられて、感じた事のない感覚がお腹をじわりと満たす。
待って、待って、薄々感じていたけれど、氷室さんってS?
「アイツはドSっしょ」友達がそう言ってた。
何言ってんのアハハ、と笑い飛ばしたくらいなのに。
「……すごいな」
自分でも、ぬるりとした感触を感じる。
「可愛いね、感じてる?」
「っあ」
氷室さんの指が、ぬめりを借りて敏感な核を優しく擦る。
自分でするのよりもずっとずっと気持ちよくて、思わず彼にしがみついた。
「ん、ン」
「ここは慣れてるんだね。俺の事考えて、シたことある?」
「っ!」
ただでさえ熱かった顔が、爆発しそうなほどに熱を持つ。
それが何よりの肯定だと自分でも気がつく余裕はなかった。
「みわ、可愛い……もっとその顔見せて」
「やっ、あっ、だめ、まって!」
自分のペースでするのとは訳が違う。
ぐいぐいと、頂点へ向けて昇っていくのが分かる。
おまけに、感じた事のない強い波。
呑まれてしまいそうで、本能的な恐怖を感じる。
怖い。
「あ……っ、や、ひむろさ、こわいっ」
「大丈夫、ここにいるよ、みわ」
「やっ、いっ、あ、あ、あ────……っ」
名前を呼ばれて、ぐいと勃起した芽を押し潰されると、あっという間に訪れた絶頂。
お尻の後ろからグワッと流れて来て、爆発して霧散する……感じた事のないオーガズムで。
声を上げたのか、どんな反応をしたのかも分からないまま、ぼんやりと暫く快楽の波間を彷徨っていた。