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【黒バス:R18】with gratitude

第2章 unconfident(氷室辰也)


一緒に入ろうか、などという、ひっくり返りそうなほどのお願いは流石に辞退して、隅々まで洗い上げた身体にふかふかのバスローブを羽織って、私はベッドに座っていた。

自然と、前を閉じる手に力が入る。
氷室さんは、その手をやんわりと退かそうとする。

「ね、氷室さん待って、電気……明るい」

「明るくないと見えないよ、みわ」

え、でも、だって。
全部見えちゃうよ。

「う、う、う」

「じゃあ、こうしよう」

彼がひねったツマミは、部屋を僅かながら暗くしてくれる。
……本当に、僅か。

「あの、氷室さん、あの」

「これでいい、ね?」

「う、ん……」

そんな、男らしい色香を漂わせながらも、おちゃめに聞かれたら、反論出来るわけもなく。

「ん……」

顔中に降り注ぐキスの嵐。
くすぐったさに身を捩らせると、隙を見つけたかのように、首筋を唇が走った。

「っ、んん」

熱い愛撫と初めての感覚に、どうしたらいいのか分からないまま、肌を滑る彼の柔らかい髪をくしゃりと掴む。

「みわ、綺麗だよ」

「──っ、あ」

チリリ、肌が焼けたように痛んだところに散らされる、花弁のような所有印。

これ、キスマークだ……なんて思っているうちに、彼の手はどんどん下りていく。

「みわの足、スラリと長くて綺麗だね」

「でも、私……背、おっきいから」

「俺と目線が近いし、俺は好きだけどな」

「……っ」

不思議だ。
たったその一言で、あんなに気にしていたコンプレックスが、少し好きになれるかもしれない。

「氷室さん、ありがとう……」

その言葉と共に、再び熱い唇が重なる。
気持ちいい。
ふわふわ、する。

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