第10章 Change……!?(黄瀬涼太)
「まあ、悩んでも仕方ないし……とりあえず今の状況を楽しむしかないっスね」
「……涼太の前向きなところ、見習わなきゃ」
昨夜ヤッてそのまま寝たから、ふたりとも上半身は裸だ。
せっかくなので、みわの可愛いおっぱいをむにむにと揉む。
「お、おお……オレが触るのとまた違った感覚が……」
はー、癒される。
「ちょ、ちょっと涼太!」
恥ずかしそうに言ったその声はいつものみわの声じゃなく、自分の太い声で。
全然萌えない!
なんだよこれ……と深いため息をついたと同時に、下腹部に違和感を感じた。
ズシンと重しをつけられたような、痛み。
「なんか……ハラ、痛いんスけど」
「えっ」
6月とはいえ、裸で寝て冷えたのだろうか。
「ちょっとトイレ行ってくるっスわ……」
「えっ、えっ、あの、大丈夫!?」
すごすごと向かったトイレで、今はみわの身体だと今更ながら気付く。
ん、トイレとかされたら恥ずかしいっスかね?
いやでも生理現象だから止められないし、漏らした方がもっと恥ずかしいだろうし……。
心を無にして済ませてしまおうと下着を下げて、視界に入って来たものに思わず声が出た。
「ぎゃああああ!」
ドアの外から、ドタドタと廊下を駆ける音が聞こえる。
「りょ、涼太、どうしたの!?」
大丈夫かと問われたら、大丈夫じゃない。
全くもって、大丈夫じゃない。
だって……
「死ぬ!! 何これ血が! 止まらない!」
下着が真っ赤なのだ。
しかもなんか身体の中から血が流れ出てくる感じがしてる。
足の間から便器を覗き込むと、正にボタボタ流れ落ちているところだった。
何これ、なんだこれ。
え、出血多量で死ぬ!?
落ち着け、と思うのに真っ赤な景色に大パニック。
「ご、ごめんなさい、生理が来ちゃったのかも!」
「……は」
生理、耳に入った単語でやっとその存在を思い出す。
みわが毎月辛そうにしてるアレか。
え、でもさっき目が覚めた時にはなんもなかったハズなんスけど。
「こんなに突然始まるもんなんスか? 助走みたいなの、ないの?」