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【黒バス:R18】with gratitude

第9章 Some things never change(黄瀬涼太)


「みわ、帰って来る場所でいてくれて、ありがとう。待っていてくれる家族がいるだけで、頑張れるんスよ」

「こちらこそ……涼太、いつもありがとう」

お互いがお互いの存在に助けられてる。
頑張っている姿を見て、自分も頑張れる。
出会った時から、今日までずっと。

会えなかった分を埋めるかのように抱き締めて、唇で熱を分け合った。

それだけで、十分だった。
存在を確かめ合うだけで。

「……そろそろ、寝よっか」

「うん。涼太、夜中起こしちゃうかもしれないから隣の部屋で寝ていてもいいよ?」

「今日は絶対川の字で寝たいんスわ」

深夜に帰って来ると起こさないように別室でこっそり寝たりしてた。
けど今日こそ絶対家族で並んで寝たい。
癒しの時間。

サイドガードの近くで寝ている息子の隣にオレが寝て、その隣にみわ。
ベッドサイドには娘が寝ているベビーベッドがある。

「今日は珍しく起きないなあ」

みわはそう言って、ベッドサイドのデジタル時計に目を向けた。

時間は、ちょうど0時。

「……涼太、お誕生日おめでとう。生まれてきてくれて、ありがとう」

「今年もありがと。また来年も祝って」

「うん、ずっとお祝いするよ」

小声でそう交わし合った。
そっと繋いだ手があたたかい。

久しぶりにベッドで家族全員で並んで寝て、ああこれが幸せかって、噛み締めて眠りについた。




……勿論、深夜に娘が起きて泣き出したんだけど。
少しでもみわを休ませたくて、説得してオレが対応したんだけど。

もはやまともな判断力などカケラも残らなかった、深夜の戦い。

マジで育児、ハンパねえ。
全世界の母親を心の底から尊敬する。


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