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【黒バス:R18】with gratitude

第9章 Some things never change(黄瀬涼太)


「ママはー?」

「ママは今ねんねしてるから、パパとお風呂入っとこう」

「はいるー!」

幼稚園に迎えに行って、公園に行きたいという息子と公園で遊んで帰って来た。

文字にしたらたったこれだけなのに、バスケを一試合終えたくらいの疲れ方だ。

なんだろう、体力は残ってる。残ってるんだけど……自分の思った通りに何一つ事が運ばない事に対する疲れと、チビから一時も目が離せない気疲れと。

とにかくなんか、すげえ疲れた。
ぐったりだ。

夕飯の前に風呂に入らねばならない。
みわはいつも、16時には風呂に入ってると言っていた。休憩している暇はない。

流石みわ、風呂は沸かしてあるし、キッチンからご飯の炊けたいい匂いがしてくる。

寝室をそっと覗いたけど、ちょっとの音じゃ目が覚めないくらい熟睡出来てるみたいだから、まだ寝かせてあげたい。

オレがワンオペで頑張らなければ。

「パパはやくー!」

「すぐ行くっスよー」

息子は光の速さで脱皮……じゃなくて脱衣し、バスルームのドアを開けた。

さて、娘はどうしたものか。

……あれ? 沐浴? 違う、あれは新生児だ。
一緒に風呂入っていいんスよね、うん。
うん? 一緒に? いや、一緒に入って待っててもらう? ん? 洗う時どーすんの?
むしろオレが洗う時間はどこにあるの?
詰んでねえスかこれ?

「パパ! はやく!」

「ちょ、ちょっと待ってくんないスか!」

この数分で何回『待って』を言っただろうか。
待って。お願いだから待ってて。

娘を脱がせてから、自分がまだ服を着ていたことに気付く。さっさと脱がねば。

「パパー!」

「はいはい、なんスかー!?」

「もれちゃったー」

「もれ……はい!?」

脱衣所でオレを待っていた息子、バスルームに入る手前に水たまりが出来てる。

「え!? トイレ行きたかったんスか!? なんで!?」

「うーん……わかんない」

分かんない!
オレも!
状況が!
全く!
分かんねえっス!


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