第128章 不吉な暗示は重なりがち。
そんな二人の言い争いを傍から見ていた近藤と山崎はフッと笑みを漏らす。
“夫婦喧嘩は犬も食わない”
まさしく、その諺どおりだった。
近藤達は痴話喧嘩に水を差すまいと背を向けて歩き出す。
一方の土方は葵咲からの指摘には全く納得いっていない様子。
土方「んだよ、人が折角分けてやったってのに。」
土方はぶつくさ言いながら、葵咲が自分の口に入れようとしていた たこ焼き(爪楊枝に刺した分)を持っている腕を掴む。そしてグイッと引っ張って、そのたこ焼きをパクッと口に含んだ。
葵咲「っ!」
土方「全部俺が食やいいんだろ。」
葵咲「いや、まぁ、そう…なんだけど。」
土方「貸せ。」
葵咲「あっ。」
そう言って土方は葵咲から残りのたこ焼き、一パックをもぎ取って歩き出した。
(葵咲:…今の、無意識だったのかな。)
セルフ“あーん”になっていた。恐らく土方はその事には気付いていなかったのだろう。
胸が熱い。
キュっとなる。
葵咲は高鳴る鼓動を抑えながら、土方達の後を追った。