第125章 好きな人とのデートは上手くいかない。
葵咲はその違和感に気付くが、それと同時に安全バーが外れてしまう。
葵咲「ええええぇぇぇぇぇ!?ちょ!きゃあああぁぁぁぁ!!」
当然の事ながらジェットコースターの降下スピードにはついて行けず、葵咲の身体は宙へと浮かび上がる。かろうじて手摺りを掴んでいた手も離れ、飛ばされそうになった。周りの絶叫に葵咲の叫び声は掻き消され、妙は後ろの惨劇には気付いていない。事情を知っている近藤は横目で後ろを覗き見る。
近藤「あばばばばば…!!」
土方「葵咲ァァァァァ!!」
隣に座っていた土方が間一髪、即座に葵咲の手を掴んで自分の方へと引き寄せた。
この状況には気付かれていないのか、コースターは停まらず周り続ける。土方は葵咲が飛ばされないよう、しっかりと腕の中に包み込む。公衆の面前(?)でキツく抱き締められている事で、葵咲は恐怖よりも恥ずかしさで頭いっぱいになり、顔から湯気が出るほど頬を真っ赤に染めていた。
コースターが一席、安全バーが外れた状態で戻って来た事に、係員は慌てて駆け寄る。
「お客様!大丈夫ですか!?」
土方「おい!全然整備不良直ってねぇじゃねぇか!死ぬとこだったんだぞ!」
「整備不良?」
土方は発車前の整備不良が影響しているものだと思った。だがそれは総悟の策略で、この係員は知る由もない。係員が小首を傾げていると、慌てて近藤が割って入った。
近藤「まっ!まぁまぁ!無事だったんだから良いじゃねぇか!それより次!気を取り直して次行こう!なっ!?」
土方「?」
土方は何が何だか分からない状況だったが、近藤に促されるまま、その場を後にした。