第124章 恋のキューピッドも自分の事が一番大事。
一方の土方も葵咲の説得を試みていた。
葵咲「近藤さんに?」
土方「あぁ。今回だけで良い。チャンスを与えてやってくれ。」
敢えて正直に話した。勿論、夜の弱みの件は伏せて。葵咲には適当な嘘を並べて取り繕うより、本音を話した方が効果的だと判断したのである。
その話を聞いた葵咲は、何か思い当たるものがあったように声を上げる。
葵咲「もしかして、私達の事が近藤さんにもバレたの?」
土方「えっ!?あ、いや…!」
弱みを握られた事を悟られたか、そう思った土方は焦る。だが葵咲の会話に気になるワードがあり、冷静さを取り戻して聞き返す。
土方「…え?近藤さん“にも”?」
葵咲「あ、うん、ごめん。クリスマスの時、退君に私の気持ちがバレちゃってたみたいだから、それでかなって。」
土方「!」
これは使える!この話に乗ってしまえ!
そう思った土方は己が身の潔白を晴らすように食い付いた。某有名ゲームキャラクターの名台詞(?)を使って。
土方「そ、そうだよ!それなんだよ!!俺は悪くねぇっ!俺は悪くねぇっ!!」
葵咲「ハァ。ここにいると馬鹿な発言に苛々させられる。」
土方「何処のジェイドだよ!いや、ルーク発言した俺も悪かったけど!」
テイルズ・オブ・ジ・ア●ス、主人公ルークとジェイドの発言そのものだった。
とまぁ茶番はさておき。葵咲としても、いつも近藤に世話になっている身であるのは確か。無下に断ることも出来ない。
葵咲「まぁそういう事なら…。」
土方「ホッ。」
渋々ではあるが、葵咲に承諾してもらえて土方はホッと胸を撫で下ろした。