第3章 車内
新幹線は軽井沢に停車中である。
「おお、ここが軽井沢か。」
「なんか緑がいっぱいあっていいね。」
「いつかはここに別荘を持ちたいものだな。」
「いいね~。私は軽井沢の教会で結婚式とか憧れるな。」
「それはいいな。緑溢れる教会に純白のドレスに包まれたまつのくりすてぃーぬ・・・何もかもが美しい・・・」
カラ松は妄想モードに入る。
発車ベルが鳴り、ゆっくりと車体が動き出す。
「金沢着いたら、初めにどこ行くの?」
「定番だが、兼六園へ行こうと思う。どうだ?」
「行きたい!きれいなんだってね。」
車内販売の女性が回ってくる。
前の方の席では小さい子がアイスをねだっている。
「ごめん、カラ松。ちょっと眠い。」
「お、いいぞ。寝ろ。」
カラ松は二人の間にあるひじ掛けを座席の中へしまうと、まつのくりすてぃーぬに肩をかす。
「ありがと。」
「子守唄歌おうか?」
「ん・・・それは今夜お願い。」
「分かった。」
カラ松は子守唄の代わりに優しくまつのくりすてぃーぬの頭を撫でる。
まつのくりすてぃーぬがスヤスヤと寝息を立てている間もずっと撫でていた。
「まつのくりすてぃーぬは可愛いな。世界一だ。」
カラ松はそっと囁くと、額に時々キスをした。