第2章 金沢へ
カラ松とまつのくりすてぃーぬは上野駅で待ち合わせた。
「二人の初めての旅行が、こんな形で実現するとは思わなかったね。」
「本当だな。正直、己の力(フォース)がこんなにも強いとは思っていなかった。流石は俺。」
カラ松はスターウォーズも好きである。時々、まつのくりすてぃーぬをフォースで操る仕草をするが、まつのくりすてぃーぬは見ないフリをしている。
「カラ松、金沢行ったことある?私は初めて。」
「俺も初めてだが、まぁ、任せておけ。きちんとプランは立ててある。」
「仕事のことはノープランなのにね。」
北陸新幹線がホームへと入ってくる。
前の人に続いて新幹線に乗る。
二人は乗車券の番号を確かめながら、座席を探す。
「ここだ。まつのくりすてぃーぬ、荷物をくれ。」
そう言うと、カラ松はひょいと大きな荷物を網棚へ乗せる。
「おお、さすが新しい新幹線だな。座席もピカピカだ。」
「ほんとだね。なんかワクワクするね。」
「まつのくりすてぃーぬ、早速だが・・・」
「?」
「ランチボックスの時間にしないか?」
「・・・なんで溜めたの?だいたい、普通にお弁当でよくない?」
そう言いながらまつのくりすてぃーぬはお弁当を取り出す。
福引では宿泊券のみで、旅行券はついていないため、交通費は自己負担である。
そのため、少しでも金沢でお金を使えるように、節約と思ってまつのくりすてぃーぬはお弁当を作ってきた。
「おお!!さすがはマイスウィートハート!なんて彩り豊かで美味しそうな弁当なんだ!お前は料理の天才だな!!」
「いやいや、冷凍食品なんかも入れてるし。味もどうか自信ないよ。」
「フッ、お前の作ったものはうまい。これは世界の法則だ。」
「法則・・・」
法則の意味分かってるのかな?と思いながらもカラ松が褒めてくれることが嬉しい。
「うまい!!」
「ほんと?」
「このコロッケは絶品だ!」
「ん、それ、冷凍食品。」
「そうか、しかし、詰め方が上手いから美味しくなるんだ。お前は冷凍食品の良さを十二分に引き出しているぞ!」
「うん、なんか、テニスの松岡さんみたいな熱いコメントありがとう。」
新幹線は今、熊谷を過ぎて本庄早稲田へ向っている。