第1章 福引
吉祥寺サンロード商店街では福引大会を開催中である。
西友というスーパーの前に設けられた福引台には何人かが列をなしている。
高齢の女性がゆっくり抽選器を回す。
「あらぁ、白だわ。」
「あー!それではポケットティッシュをどうぞ。また来てください!」
店の人が女性に景品を手渡す。
「いよいよ次だな。まつのくりすてぃーぬ、俺は1等を引くぜ。」
「トイレットペーパーか洗剤がいい。実用的。」
「フッ、悪いが俺は1等に最も相応しい男なんだ。今日は眉の角度もいつになくいいしな。1等以外は引かないし、引けないんだ。」
「ごちゃごちゃ言ってると、私引いちゃうよ。」
「あ、ま、待って!」
慌ててカラ松は抽選器を回す。
ガラガラガラ・・・
コトン。
「えっ」
「あっ」
「おおっ」
「あらっ」
その場にいた人達の声が一斉に上がる。
カランカランカラン!!!
「お、おめでとうございます!!1等、1等でございます!!」
「お、おおおお!!???おお!?おおお!!!」
「1等は金沢旅行ペア宿泊券!!」