第5章 金沢観光
「ここだ。」
「居酒屋さん?」
「ああ、金沢観光で人気の店らしい。」
まだ開店前なのに、何人か並んでいる。
「ほんとだ、並んでるもんね。」
「チョロ松は、この時期なら予約をしなくても入れると言っていたが・・・大丈夫だろうか?」
二人は心配になったが、ともかく列に並ぶ。
店が開き、順番にお客さん達が入っていく。
二人もそれに続く。
暖簾をくぐると気持ちの良い挨拶で出迎えてくれた。
「予約をしてないんですが・・・」
カラ松が心配そうに言うと、お店の人が「大丈夫です!こちらのお席へどうぞ!」と案内してくれた。
「良かったね、カラ松。」
「ああ、少し焦ったがな。」
二人はカウンターに並んで座る。
「まつのくりすてぃーぬ、せっかくだから地酒を呑まないか?」
「うん、私も思った。たくさんあるね、どれがいいかな?」
二人は頬を寄せ合うようにしてメニューを見る。
カウンターの向うにいる板前さんが、「どれもウマイですが、金沢の地酒代表は菊姫、天狗舞、手取川ですね。個人的には宗玄がオススメです!」と、声をかけてくれる。
カラ松は宗玄を、まつのくりすてぃーぬは菊姫を注文した。
料理も地酒も美味しい。
二人はどんどん食べ、どんどん呑んだ。
特にカラ松は色々な地酒をあれもこれもと呑んだ。
酔っぱらって気が大きくなったのか、まつのくりすてぃーぬが半分払うと言っても、カラ松は「俺に任せろ」とご馳走してくれた。
気持ちはありがたいのだが、会計金額はなかなかの額である。そのお金はどこから出るのか・・・。
さすがトト子ちゃんグッズに10万円出す男、と思いながらフラつくカラ松の手をしっかり握り、ホテルへ帰った。