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淡い恋 [刀剣乱舞]

第4章 念願のデート


「主さまは、今心ここにおらずと言った所でしょうか。」
「えっ!?あっごめん!」

気づけば、綺麗な毛艶をわざわざ逆立てるかの様にしてしまっていた。
小狐丸の指摘がその通りだったので、春香は慌てた。
図星だと分かった小狐丸はやはりと笑っている。

「私の毛の整え方がいつもと違ったので、すぐ分かりました。まぁ、そうでなくとも、この小狐にかかれば、主さまを愛する故、言葉なくとも伝わってしまいますが…」

小狐丸は、自分の言葉に自分でうっとりしている。
春香はと言うと、そんなに丸わかりなのかと焦っている。

「…じゃあ、小狐丸は私がこれからどうしたらいいのかも、分かる?」
「おそれながら、それは、主さまが決める事です。その想いをどうしたいのか?どうなりたいのか?が一番ではないでしょうか。」
「…」
「まぁ…我が主の心を酷く痛めている者を、この小狐の手で始末してしまっても良いのですが。」

小狐丸は、爪を出して手を構える。
春香は慌てて、小狐丸の前に出た。

「だ、ダメだよ!それに、小狐丸の言う通り、私の中の問題で、それは私じゃないと解決出来ないから…」

しゅんとしてしまった主に、小狐丸は申し訳なくなった。

「出過ぎた真似をしてしまいましたね。ただ、主さまのお心を思うと、いてもたってもいられず…そんなお顔をなさらないで下さい。」
「ううん、ありがと。小狐丸」

春香からありがとうと言われ、嬉しそうな小狐丸の毛の手入れを再開した。
小狐丸の笑顔を見ても、やはりドキッとはしなかった自分に、想いの先を再確認させられながら…
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