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淡い恋 [刀剣乱舞]

第4章 念願のデート


結局、一期の事が気になってしまっている自分に、どうしたらいいのか答えは見つからない。

元々、恋愛ではいい思い出がない。
春香が審神者となった時に、恋愛はもうしないと決めてここに来た。
なのに結局、一期の事を意識している自分がいる。
いつからだと考えれば、始めて二人で買い物に行った辺りからだと気付く。
そもそも、刀剣と恋に落ちるという状況は、あってはいいのか?
それでも、止められない気持ちに整理がつかず、どうしたらいいのか答えが見つからない。
こんな状況では、審神者として失格だと。
こんなはずではなかったのにと、段々考えが後ろ向きになってきた。

「主?何を考え込んでいる?」

前から来た山姥切に気づかず、思わずぶつかってしまった。

「わぁっ!?ご、ごめん!まんば。」
「どうせ俺は写しの身。見えなかったのだろう。」

また山姥切が後ろめな発言をするので、春香は慌てて否定した。

「違うよ!…私が考え事してて、前見てなかっただけだから…ごめんね…」

段々、顔が俯き加減になってくる。

「…別に俺は、あんたにそんな顔をして欲しい訳じゃない。」
「え?」

山姥切の言葉に、俯きかけた顔を上げた。

「あんた、今にも泣きそうだ。」

自分でも気付かない内に、酷い顔になっていたらしい。
無意識とは怖いものだ。

「そう言えば…先ほど加州があんたを探していた。政府から任務の依頼が来たそうだ。」
「わ、分かった!ありがとね。」

なんとか笑顔を作って立ち去ろうとすると、山姥切が腕を掴んだ。

「何があったかは知らないが、無理に笑うな。あんたの本当の笑顔は…その…皆を幸せにするんだ…と思う。だから、無理には…笑うな。」

布で顔を隠しながら言うところを見ると、少し照れているようだ。
山姥切なりの気遣いが嬉しくて、春香は少し気持ちが楽になった。

「ありがとね!まんば!」
「あぁ…」

まだ固いが、なんとか笑顔を作ると、山姥切は少しほっとした顔をして去って行った。
その後ろ姿を見送り、自分に気合を入れ直す。
少し深呼吸をして、加州を探し始めた。
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