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淡い恋 [刀剣乱舞]

第4章 念願のデート


次の日の昼過ぎ、一期は加州からと骨喰に渡された洋服に着替えて春香を待っていた。

「一期!待たせてごめんね。」
「い、いえ!大丈夫です!」

自然と一期の頬が赤く染まる。
あれ以来、何度か現世行きの姿を見ているが、なんだか春香は今日は一期にとっては特別綺麗に見える。

「なんか、ミツが体調崩したとかで、様子を見に行ったんだけど、人を待たすな!早く行けって怒られちゃった。」

一期は少し悲しそうに話す春香の姿に胸がズキッと傷んだ。
そして、そんな自分に内心驚いている。

「とりあえず、行こっか。」

春香に促されて、現世行きの扉を開いた。

前に来た時は梅雨入り前の少し暑い日だったが、今は年末前という事で、寒い。
二人ともその寒さにぶるっと震え、顔を合わせて苦笑いをしている。

「やっぱ、寒いね!風邪ひかない様にしなくちゃね。」
「そうですね。…春香」

一期に名前でいきなり呼ばれた春香は少し顔が赤くなった。
呼んだ一期もそんな顔をされて照れている。

「やっぱり…外に出る前は早かったでしょうか?」
「う、ううん!そんな事ない!ちょっと…驚いただけ。あっ、そうそう!上着準備しなきゃね!」

春香は照れ隠しにぱたぱたとクローゼットに行き、一期に似合いそうなのを選んできた。

「一期は少し大人めだから、これね。」
「ありがとうございます。では、参りましょうか?」

二人で玄関に行き、外の世界へと出かけて行った。

外はクリスマス時期とあって、街が色とりどりに飾られて煌びやかだ。
前とは違う雰囲気にあちらこちらと目移りして、1つ1つに感動してくれる一期に、春香は幸せそうな笑顔で答える。
そのうち、最初はただ並んで歩いていたのが、どちらからでもなく、いつの間にか手を繋いで歩いている。

「あのね、一期。行きたい所があるの。」
「はい。私はどこへでもお供致します。」

一期が笑顔で答えると、春香も嬉しそうに笑う。
それを見た一期の胸はまたトクンと音を立てる。
ー恋の病ー
何時ぞやに三日月達に言われた言葉が、一期の脳裏に蘇った。
その時は考えない様にしていたが、今この時だからこそ、その言葉が自分の今の状況なんだと認識させられた。
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