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淡い恋 [刀剣乱舞]

第2章 一期一振、現世へ行く。


一期は、聞き慣れない単語だったので聞き返した。

「イケメンって言うのは、えっと…」

容姿端麗だよと言いかけて、その容姿端麗の一期にじっとまっすぐに見られてるのに気づいて、春香は段々恥ずかしくなってきてしまった。

「まっまぁ、なんでもいいじゃん!それよりも!ちょっと休憩しましょ!疲れたでしょ?この辺にカフェがあったと思うんだ!」

そう言って春香は先を歩き出した。
慌てて一期も付いていくが、やはり慣れない人混みでそちらに体力を持って行かれている。
それに気付いた春香が振り返って手を差し出した。

「一期、手、繋ご?」
「えっ?て、ですか?」
「そう。手。そしたらはぐれないでしょ?…はい、手。」

出されたその手に、一期はそっと手を乗せた。
春香は少し照れながら、その手をぎゅっと指を絡めて握った。
また、一期の胸はとくんと鳴った。
今日は、この感じを何回味わっただろうか。
これは病気なのだろうか。
しかし、病気にしては心地が良い。
繋がった手はとても温かくて、もっと繋いでいたくなるような気分だ。
そんな一期の気持ちを知ってか知らずか、横を歩く春香は目が合うと、少し照れながら可愛らしく笑う。

「ねぇ、一期。何か見たいものとかあったら言ってね?せっかく来たんだから、楽しまないとね!」
「では、留守番をしている者達へのお土産を買いたいのですが…」
「お土産かぁ。いいね!何にするの?」
「やはり、人数が多いので、菓子がいいかなと思うのですが、…春香は何が良いと思いますか?」
「じゃあ、ケーキなんてどう?私も久々に食べたいし!」
「ケーキ…ですか?初めて聞きます。では、そのケーキにしましょう。どんな物か楽しみです。」

他愛のない話ですら、とても大切な事として記憶に留めて置きたくなるような気持ちになっている。
この時間が、もっと長く続けばいいのにと
一期は無意識に思っていた。
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