第20章 選択する
話をまた数時間前に巻き戻そう。
少女は授業後に狸爺もといダンブルドアに呼ばれた。
「みぞの鏡を見たのかね?」
『…っ。はい…』
何故それを、という愚問を飲み込んだ。
ハリーの時も知っていたことだ何かしら仕掛けがあるのだろう。
「ヒカルよ、これからどうするのじゃ?」
少女はふと、この老人はどこまで知っているのだろうと疑問に思った。
心を覗かれたような記憶はない。
でも何故こんなにも青い瞳が冷たく感じるのだろうか。
『リドルくんを止められない今はリドルくんの隣には並びません…』
一層青い瞳が冷たく感じる。
少女はこの老人の瞳にどこか少年の影を感じていた。
ここで少年を拒否することを述べるのはなんだか目の前に少年がいるような、色だって正反対なのにその瞳に見つめられると紅い瞳がチラつく。
『ダンブルドア先生…でも私はリドルくんの隣に立てるようになりたいんです』
それが同じ方向を向いているか、互いを見つめあっているのか、又は正反対の方向を見ているのか。
それは言っている少女にも分からない。
「トムには素晴らしい才能がある。だがヒカルにも素晴らしい才能があるとわしは思っとるんじゃ。やりたいようにやってみなさい」
少女の胸に一つの選択がきまったようだった。
青い瞳を見つめながら少女は覚悟を固めていく。
今は隣に並ばない、と。
【選択する】