第18章 とまる
『だから大丈夫だよ』
「黙ってされてればいいのにこの強情」
『別になんともないのに…』
「だったらマダムに見てもらってきなよ」
大広間のスリザリン寮のテーブルの一角で少年と少女の攻防は繰り広げられてた。
あれだけ腹の虫を鳴らしておいて全く皿に料理を取らない少女に無理やり少年は料理を盛ろうとしているのだ。
少年の中では加えて少女が気絶時に後頭部を打ったのに保健室に行かないことも苛立ちの種のようだった。
「あら、今日は結構皿に取ってるじゃない」
「本当ね。こんばんはMr.リドル」
『あ!アンバー、アンナ!!ほらリドル君これでも食べてるほうなんだって!』
「うるさい。先輩方、夕食後でいいのでこの強情なヒカルを保健室に連れていってください」
『え、だから行かないって!』
「別の箇所の打ち身だったらそこまで言わない。頭だから言ってるの分からないの?」
「まだ良く分からないけど責任をもってこの子を引っ張っていくわね。アンバー、ヒカルが逃げないように早めに食事を終わらせなきゃ」
「ヒカル、さらに盛られた料理を残すほどマナー知らずじゃないよね?」
『た、食べれない……』
少女は少年と友人2人に見守られ(監視されながらとも言うだろう)無事にさらに盛られた普段の1.5倍ほどある夕食を胃の中に収めたのだった。
友人2人に連れられて保健室に連行された。
しかし頭を打った云々より夕食の食べ過ぎによる気持ち悪さが先立ちマダムからの診断は〝食べ過ぎによる腹痛〟となったのだった。