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制服少女と赤瞳少年【HP】

第3章 到着


『おぉ……!!』

何度も画面越しに見てきてはいたけど実物はやはりケタ違いだ。
圧巻の光景に空いた口が塞がらない。
少女は少年に手を引かれながら古城の中を進んでいく。
珍しいことに誰ひとりとして生徒に会わない。
数々の絵画の人々がこちらを見てはコソコソと話してはいるが生徒という生徒が1人もいない。
夏休みではないと思うんだけどなぁ、などと呑気に考えていたらある大きな扉の前で少年が急に止まった。

―トントン

「失礼します。スリザリンのトム・リドルです。ダンブルドア先生はいらっしゃいますか?」

急に止まるなんてなんて危ないのだと少し憤慨しながらも、軽くぶつかった鼻を軽く摩りながら少女はある言葉に耳を疑った。
今、少年はダンブルドア先生と言わなかったか?
少女が会えれば会いたいなぁなどお気楽に考えていた相手に少年が意図せずも連れていってくれたことに驚いた。

「開いておるぞ」

少年は重そうな扉を片手で開けながら少女を部屋に通す。
失礼します、そういいながら恐る恐る扉の中に入っていく。
続いて少年も部屋に入り扉がこれまた重そうな音を立てて閉まった。
半ば無意識に少女は手に力を込めると確かな温かさを持って握り返された。
少年の暖かさに触れ少女はこの少年が闇の帝王だなんて信じられないと思いながらも意を決して長いヒゲの老人の元に歩を進めたのだった。
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