第14章 ようこそ
『ここが勉強部屋』
少女がクローゼットを開けるとそこには教室ほどの広さのある無機質な部屋があった。
大鍋や薬品棚、大きめの机と椅子が一つづつあり、机の上にはレポートの途中なのか羊皮紙が広げられていた。
「本当にマグル学をやっているんだな」
少年は机の上に広がる羊皮紙とは他にマグルの使う紙、レポート用紙と筆記具があることに目を止める。
『だから言ったじゃん。一応水晶玉とタロットカードもあるよ?』
薬品棚とは別の棚の引き出しをゴソゴソと探り始めた少女は手に水晶玉とタロットカードを持って少年に振り返った。
「そんな曖昧で不確かなもの信じられるか」
『結構リアリストだよね、リドル君は』
「ここで魔法薬も作っているのか」
『そ。スラグホーン先生はちょっとアレだから…』
少女はなんとも渋い表情を作る。
少年も同意したのか幾分か疲れた表情をした。
「ヒカルが都合のいい時でいい。休日ここで魔法薬を作らせてくれ」
『!!』
あの少年が頼み事をした。
少女からしたら少年は未来の闇の帝王で頼み事などする柄ではないと思っていたので大層驚いたのだった。
『もちろん!大体休日はここでやってるから!』
「何だかんだ気に食わないけど君の方が魔法薬は出来るからね」
『なんかあったら手伝うから!変わりにDADA教えてね』
それからというもの少年は少女の部屋に行き共に魔法薬を始め様々な魔法の練習をしたりと休日に校内で二人の姿を見ることは少なくなって言ったという。
【ようこそ】
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主人公の苦手教科は強いていえばDADAです。
苦手というよりリドル君に酷く劣るので本人が苦手だと思っています。
一般的には優秀な部類です。