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制服少女と赤瞳少年【HP】

第2章 出会う


「……誰だ」

振り返るとそこにいたのは俗に言うイケメンだった。
光をうけて赤くきらめく瞳、
すっと通っている鼻筋に見とれ少女は瞬きを繰り返す。

『…あなたは?』

潜めた眉の形でさえも美しい。
軽く首を捻る仕草でさえも優雅さがあった。
質問に質問で返してしまったと気づいたのはいまさらだった。
ぐっと胸に突き刺さるものがある。
お互い間合いを伺うような長い沈黙が続いた。
そして長い沈黙を破ったのは少年の方であった。

「…英語が話せないのか?」

少年の潜めた眉と捻った首は言葉がわからないことからくることがわかった。
質問に質問で返されたことによる不快感ではなかったのだ。
しかし胸に突き刺さるこの気持ちは晴れることは無かった。
それもそのはずだ。
罪悪感で胸に刺さるものがあったのではない。
物理的に木の枝が突きつけられていたのだから。
少女が首をかしげた。少年はたった今日本語を話しているのではないか。
話が進まないので少女はできる範囲の英語で答える。

『I'm Japanese.I can't speak English well.』

「わかるなら最初から英語で話してくれ。
名前は?」

『ヒカル。ヒカル・琴吹』

とりあえず名前を答える。少年の名前は何なのだろうか。なんと言えばいいのかわからないのでとりあえずじっと見つめてみた。少したじろぎながら少年が答えた。

「……………トム・マールヴォロ・リドル」

少年の名前を聞くと突然少女はオロオロと狼狽えた。
今、少年は〝トム・マールヴォロ・リドル〟と言わなかったか?
もし事実ならここは天国じゃなく物語の中ではないか!
俗に言うトリップだった。
まさか少女は自分の身に起こるとは考えてもみなかったが、確かに少女はハリーポッターの魔法の世界にトリップしていた。
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