第10章 そして分けられる
『無言呪文使えるんだ。』
「これくらい、やれば出来るさ。アブラクサス先輩は今年のスリザリンの監督生だ。僕も良くしてもらっている。」
駅でぶつかったプラチナブロンドのイケメンはもしかしたらアブラクサス先輩だったのかもしれない。
そう少女は考えたが、ぶつかったことを少年には伝えていない。
言ったところでもっと周りを良く見ろだとか、注意力がなさすぎるだとか言われるに決まっているからだ。
『そっかー。ブラック家の人はいないの?』
「5年生にオリオン先輩がいる。どこまで知っているんだ。」
『たいして知らないよ。彼らの子供を知っているだけだから。』
赤い瞳は探るように見つめてくる。
しかしまだ、少年は開心術を使うことは出来ないらしい。
「まぁいいよ。今学期は色々と忙しくなりそうだしね。」
『?2年生って何か大変なことあったっけ?』
「いや、将来の夢のために少しずつ準備をするんだ。」
『リドル君の夢……。気になるなぁ。』
少女は教えて?と子首をかしげている。
声色もあくまで無邪気な興味の色であったが少年は直感的に探られている感覚を得た。
「ヒカル…。僕は夢はそう簡単に口にするタチじゃないんだ。もう少し現実味を帯びてきたら教えてもいいかな。」
少女は逃げられたことを理解した。
これ以上聞いても仕方が無いと思ったのか少女は話題を変えた。
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事実確認が出来なかったのですがこのお話では
5年生→アブラクサス先輩、オリオン先輩
3年生→主人公
2年生→リドル君
という設定です。