第9章 初めまして、2回目
「怪我がなくてよかった。新入生かな?ご両親は…?」
『え、えと…転入生何ですけど…友人と一緒に来てて』
いくら、いくら東洋人は幼く見えるといってもこの間違えは少女も辛かった。
11歳と言えば小学生ではないか。
綺麗なブロンドの青年を無礼にも睨み返しながら答える。
「それは失礼、そんなに見つめないでくれ」
『じゃあ、私はこれで…』
「もうすぐ駅が混み出すだろう。はやく友人の元に戻りなさい。きっと心配している」
『はぁ…。ありがとうございました』
少年が少女のことを心配するなど想像もつかないが、一般的な意見としては友人は心配するのだろう。
しかし少女は勝手に少年を友人呼ばわりしているが果たして2人の関係性を友人と言っていいかというといささか進展しすぎてる気もしれない。
少女の事情を知っているのは保護者であるダンブルドアを除き少年だけなのでほかに頼る宛があるかと言われれば無いのだが、きっと少年にとって少女の立ち位置は友人ではなく厄介な知人程度であろう。
『名前、聞いとけばよかった。』
もしかしたら同じ寮の先輩になるかもしれない人だ。
どうせなら知り合いは大いに越したことは無い。
『ま、また会うよね…?』
仮にも一年近くあの学び舎たる城で過ごすのだ。きっとまたどこかですぐに出会うだろう。
少女は列車をすべて見ることを諦め、心配しているとは思えない友人の元に歩き出したのだった。
『リドル君が心配するとか、似合わないなぁ…』
【初めまして、2回目】