第9章 初めまして、2回目
「何でまたわざわざこっちにきたんだ」
少年は理解ができない、というような表情を見せた。
わざわざ列車に乗らなくてもこの少女の家が自分たちの学校のはずだ。
そう、帰宅する直前にあの老人に引き止められ聞かされていた。
『何でって…。そりゃあ、ホグワーツ特急に乗りたいからに決まってるじゃない!!』
少年は自分の眉間に力が入ったのを自覚した。
やはりこの異世界から来たという少女は前から頭のネジを数本飛ばしているとはと思っていたが……
想像以上に理解不能な、ある意味未知の生き物だ。
「そんなに大したものじゃないぞ?」
『私にとっては大したことなの!』
だって、現実に見られて乗れるのよ!?と若干怒られてるのかと錯覚するほど強く主張された。
「そういうものか。………3年生なんだな」
ふと机に積まれた教科書に目が止まる。
少年より1つ上の学年の教科書、興味が無いこともないが釈然としない。
「なぜヒヨッコの癖して僕より上なんだ?」
『だって私17歳だよ!?実年齢に見合った学年になれなくてこれでも割りとショックなんだから』
中学生と高校生の差を舐めんな、と睨まれる。