第9章 初めまして、2回目
少女は驚くスピードで魔法を習得していった。
元の世界ではこの時期になると夏休みの宿題を一生懸命こなしていたであろう8月31日の午後、少女は漏れ鍋にいた。
ダンブルドアに頼み込みホグワーツ特急に乗りたいがためにこうして前日に泊まりに来たのだ。
荷物は家が学校なので最低限のものだけなので残念ながらカートを押しながら9と3/4番線に入れないのだが少女の興奮材料には充分すぎなのだ。
―コンコン
「ミス・琴吹?リドルだ。」
『リドル君…!?』
突然のノックは来客を告げるもので、
この世界で初めてあった人を連れてきた。
一方少年はフロントで有り得ないことを耳にして今こうしてドアの前に立っていた。
ヒカル・琴吹がここにいる、という話だ。
彼女は保護者である変身術の老人と共に城にいるとばかり思っていたからだ。
真相を確かめるべくしてここまで足を運んだ…というほど面倒でもなかったのだが。
少年は極めて優秀な魔法使いだったので宿題など暇つぶしにすらならない程度だった。
新学期の入用のものも既に買い揃えてあり、
本当に暇を持て余していたため、
まぁ暇つぶしぐらいにはなるかなというモチベーションだったことは否めない。