第7章 いざ、行かん
気持ち悪さをこらえてそこに少女は立っていた。
初めてきたダイヤゴン横丁に感動する暇も与えず沸き起こる気持ち悪さ。
生前(死んでいるのかわからないが)読んでいた夢小説のヒロイン達に内心拍手を送っていた。
聞いてはいたがここまで気持ち悪くなるものなのか、姿くらましは。
少女はどこをどう連れられたのか分からないままマダムマキシムの店の前に連れてこられていた。
「マダム、失礼するぞ。」
―カランコロン……
ドアベルの音が鳴り響き老人と少女は入店する。
「あらあら!先生がいらっしゃるなんてどうしたんです?」
「孫の服を揃えたくての」
「まぁ!可愛らしいお孫さんですこと!いつから?」
「色々とあってな、引き取ることにしたのじゃ。」
『ヒカル・琴吹です』
「さっそく測りますからこちらに」
「1時間ほどで戻るとするかの」
後ろ手にヒラヒラと手を振って老人は出ていき、少女は店内に残された。
「とりあえず制服ね。洋服はそれから!」
メジャーが至るところに巻かれ、少女はただただ見つめてされるがままにしていた。