第7章 いざ、行かん
「ヒカル仕度はすんだかね?」
朝ごはんも広間の長机で皆とともにし、若干膨れた胃袋を摩りながら少女は着替えを広げていた。
『は、はい!今行きます!』
手持ちの洋服は冬物が主だったのでジーンズを履き、クローゼットの中にかかっていた白いシャツを着る。
ややシンプルすぎる気もするがどうせ服も買ってもらうのだ。
その場で着替えれば良いのである。
「最初にマダムのところかのぉ。」
年頃の娘にしてはいかにも洒落っけのない格好が心配の種になってしまったらしい。
『ダンブルドア先生、ダイヤゴン横丁には何で向かうのですか?』
少女の表情にはやや不安そうな影が見える。
姿くらましは酔うと聞く。
できれば煙突飛行が良いのだが、と何となく考えていると老人はにこりと笑いながら言い放った。
「姿くらましじゃ」