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制服少女と赤瞳少年【HP】

第5章 新しい生活


朝食を堪能しコーニーを呼んで食器を片してもらうと少女は手持ち無沙汰になってしまった。
何か本でもあればいいのだが、と見回すとまだ棚が空いている本棚があった。
しかし2、3冊だけだが申し訳程度に置かれている。
〝ホグワーツの歴史〟
〝薬草図鑑〜植生と効能の全て〜〟
〝今日からあなたの手助けを!家事に使える魔法全集〟
とジャンルも何も、無い本たちだった。
きっと本の趣味が分からなかったのだろう。

少女は開けられた棚は十分にあるので本や教科書を買ったらそこにしまうんだな、など少しずれた感想をもったのだが誰も知るところでもない。

暫く、正確に言うならば2時間30分の間
少女は〝薬草図鑑〜植生と効能の全て〜〟を熟読していた。
2回ほどコーニーが冷めた紅茶を変えに来たのだが気づくことはなく、今現在も冷めた紅茶が机の上に置いてある。

『ふぅ……』

知らない、見たことのない植物ばかりだった。
少女はハリーポッターの物語の中では1番ゼブルス・スネイプ教授が好きだったので自然とこの本に手が伸びた。
今更ながらもう少し先にトリップしたかったな、など贅沢な悩みを抱えた。

魔法を教えて欲しいとお願いをしたものの、少女は勉強が得意な訳では無い。
ハーマイオニーのように詰め込んで出来るとはこの図鑑一冊読んでも思えなかった。
年齢だけでいうともう高学年なのだが、知識は入学前のマグル出身の子どもと何も変わらないのだと今更ながらに気付かされる。

セブがいれば専属の家庭教師を頼むのになぁとこれからの魔法学校の生活に若干の不安を感じている時…

―トントン

ノックが聞こえた。

「ヒカルおるかね?」
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