第1章 悪魔の正義
ノアルールはくたくたと力をなくして言った。
「ルーラさんとグラスさん…」
「なんだ貴様等!?」
「殺っちまおうぜアニキ。」
そこにあったナイフを手にし、アニキと言われた大男が叫んでグラスに向かった瞬間…
グラスは大男をさっとよけ、足を蹴って払い、頭から落とした。
大男は頭を打って気絶した。
もう一人は隠しナイフを手にし、ノアルールの首に突きつけた。
「こ、これで、だ、おおお俺にに、て、手を出す事はでで出来な―」
ノアルールは首元にあるナイフを目を見開いて見て、叫んだ。
「きゃ、きゃ―――――――――!!!」
奇声と共にノアルールは大男の急所を無我夢中になりエルボー。
大男は自分の股にノアルールのエルボーを食らい、痛い痛い!!と声をあげて、思わずナイフを落とし、ノアルールを解放し、両手で大事な部分を押さえつけ寝転がる。
飛ばされたノアルールはグラスがしっかり抱き締めた。
「いだいっいだいよヴヴヴヴヴ!!!!」
大男は悶え苦しみながら股間を抑えて、ゴロゴロ転がってるとある人の足に顔をぶつけた。
「…てぇな……」
ールーラは無表情で刀を鞘からすっと取り出した。
「散れ。下郎。」
人を殺める事になんとも思わない、そんな目開いた視線が大男に突き刺さる。
と、同時に大男の顔に刃がすっとかすめた。
大男は失神しながら失禁した。
「汚ねぇ。」
グラスはクスクスと笑った。
ノアルールはヘタヘタと地面に座る。
「怖かった…」
といい、うわあああと大声で泣いた。
「お主の名前を聞き忘れていのぅ。
お主、名前を教えないのは酷いぞ?
だから、我らはわざわざ聞きにきたんじゃ。」
グラスは気が紛れるかと同時に、聞きたいことをいった。
「すみません…名を名乗らず…
あと、助けて頂いて……」
「良いよ良いよ、んで、名前は?」
「ノアルール=アルカナです。
助けて下さってすみません…」
少し元気を取り戻したノアルールの様子に、ルーラはチラッとノアルールを見た。
「それよりオーナー、こいつらはどうするんですか。」