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MOON ♘night♘ DANCE

第4章 踊り狂った歌姫


ーここはとある音楽ホール。
1人の女が、可愛いピンク色のフリフリのドレスを着て、マイクを片手に裏方からステージに移る。

彼女がステージに立つと、さっきまでざわついていた一万近くの観客たちが歓声をあげた。

「皆、今日は私のステージに来てくれてありがとうね〜!!」

あちこちから黄色い歓声が響く。
シャーナ、シャーナ、シャーナと連呼する声がだんだん観客を巻き込んでいった。

ー彼女はシャーナ=ソウル
今をときめくアイドルである。

シャーナはあちらこちらに手を振って、それが一旦収まると言った。

「それでは最新曲、"Moon Dances"を聞いて下さい!」



シスター姿のグラスは泣いているノアルールを見つつ、気を使うかのように子供たちを違うところに連れていこうとした。

「お前達、今からお歌の練習をしましょうね。
先にお部屋でいい子で待ってるんだよ。」

子供たちはわぁいとパタパタと走って、部屋に向かった。
グラスは、最後の1人が部屋に入って行くのを見ると、ノアルールに近づいた。
そして、ノアルールの隣に座り慰めながら、横にいるルーラに言った。

「ルーラ、それ以上ノアルールを泣かすでない。
お前らに何があったのかは知らんが、とにかく仲良くするんじゃ。」
「オーナー、俺は少なくても仲良くするつもりですよ。」

表情は何一つ変えず、ルーラは淡々と話す。

「まぁいいさ。
あんまり騒ぎを起こしてくれるのもシャクじゃが…。」

グラスはため息をついて、ルーラに言った。
だが、かなり真剣な表情だった。

「ーそれより、直属ギルドからお達しがあった。」

ノアルールとルーラはグラスの言葉に耳を傾ける。

「最近、巷で闇ギルドの行動が活発化しているらしい。
どうやら、あらゆる町で麻薬の取り引き、子供の密売、女性の殺人と、事件が起こっているそうだ。」

ノアルールはどうして…と驚きを隠せなかった。
グラスは地面を見ながら、腕を組んで続けた。

「今回、我らはソードアンドルージュと共同で作戦を遂行する。
まずは、シャーナ・ソウルという女性を追うのじゃ。」

グラスは、音楽がなるラジオを見て言った。

「ほぅ…既に直属ギルドはその女に目をつけていると。」

ルーラはグラスの前に立ち、にやりとして言った。
ノアルールと一瞬目が合い、また逸らした。
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