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MOON ♘night♘ DANCE

第3章 誓いの剣と口紅と


ガヤガヤと店内はお客で騒がしい中でノアルールはルーラに言った。

「私、やっぱり人殺しはいけないと思うので―」
「黙れ。」

ルーラは急に立ち上がると、椅子がばたんと大きな音を立てる。
店の中はしんと静まりかえる。
ノアルールの胸ぐらを掴んだルーラは表情がゆがみ、冷ややかな言葉で言った。

「今まで平和の裏を見てみぬふりした貴様に何が……!」

ルーラはノアルールを叩こうと振りかぶる。
すると、そこに……

「そこまでにしましょ?」

叩こうとする手を掴むものがいた。
ノアルールは、あ……と言葉を漏らした。
先ほど見た金髪の密編みの店員だった。

「公共の場ですから、余り無粋な事はおやめ下さいな?」

ルーラは、ノアルールの胸ぐらを乱暴に離して、ドカッと乱暴に椅子に座る。

「チッ」

客はまたガヤガヤと騒ぎ出した。

「ぶしつけながら、失礼致しました。」

金髪の密編みの店員は頭を少し下げる。
ノアルールは金髪の密編みの店員に頭を見てすみませんと言い、店を出た。

店員はあれ?と声をあげて言った。

「あら、ケーキを食べてもらおうって思っていたのに……」

ルーラは出ていくノアルールを目で追った。

「……」

ルーラはノアルールを叩こうと振りかぶったが、ためらった自分自信に腹を立てた。
それと同時に、世界の裏を知らない純粋なノアルールに、残酷な事を告げれなかった、と。

だが、それは一瞬の考えだった。
ルーラは自分の心についている悪魔が笑っているような感じがしていた。
ノアルールの後を追おうと、立ち上がった。

―その時店員はルーラを見ていた。
そして、表情は固くなりふっと厨房に消えた。
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