第2章 血だらけに染まる足元
"人を殺している事を知っては無さそう…"
「あ、ルーラ兄ちゃん!!」
少し考えていたノアルールは男の子の声に反応して、振り向いた。
ルーラは笑顔で、男の子を見て言った。
ノアルールはうつ向いて、出来るだけルーラを見ないようにした。
「アース、先に仲間が行っているぞ?
外に遊びに行くと、話をしていたから今すぐ行かないとおいてけぼりをくらうぞ?」
「え!?
待ってぇ~!!」
ルーラはにこにこして、男の子と会話しているところを見たノアルールは驚いた。
男の子が駆け足でバイバイとルーラに手を振ると、ルーラも笑顔で手を振る。
男の子が部屋から出ると、表情が変わって怖い暗い顔をした。
それと同時に声のトーンも変わり、別人となった。
「おい、ガキから何か聞き出せるとか、バカな考えをしたな。」
ノアルールはまるで、蛇に睨まれたカエルのように身体が固まり動かなかった。
ルーラはノアルールを冷たい視線で見ると、少し反らした。
「だが、無駄だ。
そんなことしても、ガキ達は吐かない。
知らないものは知らないからな。」
ルーラは鍵を手にし、男の子が出ていった扉とは逆のところを開ける。
ノアルールは辺りを見回した。
壁付にされたベッドの足元側にに玄関があった。
「孤児院ってどういうこと?」
ノアルールはさっき男の子が言ったことを聞いたが、ルーラは無視をして、無言で男の子が出ていった扉とは逆にある、鍵のついた扉をあける。
ルーラはノアルールの腕を掴むと、無理矢理部屋の中に突っ込んだ。
いきなりで、バタバタと足元をばたつかせたノアルール。
部屋には、まるで麻薬を密売しているような人たちがノアルールを睨み付ける。
テーブルには賭け事でもしているのか、コインがタワーになり、トランプがばらまかれている。
灰皿は吸いカスで針山のようになり、煙草の煙が部屋にこもり、なかなか煙たい。
「うっ……」
ノアルールは思わず口を塞ぐ。
ルーラはちっと舌打ちし、屯する奴らを邪魔だと蹴っていった。
足を机にのせていた男は椅子を蹴られ、転倒する。
「うおっ!?」
「てめぇ、机が汚くなるじゃねぇか。
いい加減、仕事しねぇのかこのクズ。」
「なんだよあいつ……」
「…」
ノアルールは黙って、先にツカツカと歩くルーラの後ろ姿を追いかけた。