第2章 血だらけに染まる足元
「う…」
ノアルールは目が覚め、見馴れない天井を見て驚きながらベッドから起きた。
それと同時に、頭に痛みを覚え後頭部を押さえる。
起きると、ベッドの回りに口をポカーンと開いてノアルールを見る子供たちがいた。
子供の一人が、はっとして呟いた。
「……きた。」
「え?」
子供の一人がノアルールから一歩引くと、連鎖が起きて次々と子供たちが一歩引いた。
「ここは―」
「ねぇちゃん起きた~!!」
ノアルールの言葉をかき消しながら、子供たちがやいのやいの声をあげて部屋を出る。
「ね、待って。」
子供の一人がノアルールの呼び掛けに気がついて、立ち止まる。
ノアルールは布団から抜けて立ち上がり、子供の近くまでいき、かがんで目を合わせた。
「ここは…どこなの?」
子供はビクビクしていたが、ノアルールが怖い人じゃない事を確認すると、ほっとして言った。
「スター孤児院だよ!!
ルーラ兄ちゃんがねぇちゃんを、毛布でぐるぐる巻きにして持ってきたんだよ~」
ノアルールは雑な扱いされたと思い、少しショックを受けた。
男の子は前歯が無い笑顔でにっこりとしる。
しかし、孤児院とはどうしてなのだろう。
ルーラとグラスがとても暗い顔をしたことで何かしら裏があるだろうと気になって、ノアルールは男の子に言った。
「ね、君はここをどう思う?」
ノアルールは一人の男の子に聞いた。
どんな返事がくるのか期待していると、男の子は目をきらつかせ言った。
「え~とね、パパやママが居ない僕達を救ってくれる良いとこだよ!!」
男の子はにこにこしながらノアルールを見た。
ノアルールは純粋な目をする男の子を見て少し戸惑っていた。