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柔道少女と排球部

第1章 はじめまして


急かされたけど結局最後にバスに乗ったので、ぶっちゃけ席が空いてなかったりしなくもない。

きょろきょろ、と辺りを見渡せば。


「あ。」


黒髪つり目の子の横がぽつりと、一人分。
…………いいかな?


「…此処良いですか?」

「…………………おう」


無愛想だなあ、なんて思いながら横に座った途端にバスが走り出した。


「君、王様の横に座るんだ?物好きだね」


後ろの席からニヤニヤ顔で笑う金髪眼鏡の子、とそばかすの男の子。
あぁ、そばかすの子も一年生か

おう王様って黒髪つり目の子のこと?


「まぁ、此処しか無かったですし」


なんて言えばまたまたつまらなそうに顔を逸らされてしまった。


「そういえば、試合って言ってたけど…君もバレーするの?」


そばかす君が質問を投げ掛ければ、横の黒髪つり目の子が勢いよく此方に顔を向けた。


「いえ、私は…」


此処まで言った途端窓側を向かれてしまった。
其れに対し「じゃあ何をしてるの?」なんて興味深そうに聞いてくるそばかす君とは仲良くできそうです。


「…名前、名前を教えて下されば、お答えします。」


いつまでもそばかす君や、黒髪つり目の子、金髪眼鏡の子何て言うのも嫌だ。私が。


「あ!ごめんね、俺は山口!山口忠!こっちはツッキー!!と、君の横に居るのが影山ね!」


何て横の金髪眼鏡の子と黒髪つり目の子を指さす山口さん。
ツッキーさんは「やめろ山口」とか言いながら睨んでる。

けど山口さんはあんまり気にしてないみたい


「ツッキーさんで」

「やめてくれない?」


睨まれた。


「では何と言うのですか?」


何て後ろを向かず言えば


「……………月島蛍」


と不機嫌そうな声が帰ってきた。
あんまり怒らないで欲しいなあ


「で、何して──────!?」


山口さんが口を開いた途端聞こえた嘔吐の音と田中さんの悲鳴
声の方に目をやればオレンジ君のと思われる嘔吐物が田中さんのジャージに。

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