第2章 こんにちは青葉城西高校
及川さんの握る手がぎりぎりと音を立てる。
「お、及川さ……痛、」
ハッと、ずっと下げていた顔を上げこちらに笑いかけ
「ごめんね〜、痛かったよね!」
なんていいながら手を離す
本当に痛かった、今のは。
ぺたぺたと及川さんのあとを着いていけば
「あれ、金田一……?」
らっきょみたいなシルエットの人を見つければ駆け寄り「きーんだーいちっ☆」と背中に飛び掛っていた
後輩かな
凄い、本当に誰にでもあんななんだ。びっくりした。
及川さんはいきなり勢い良く振り返りその場に立ち留まる私に、ちょいちょいと手招きをする
「誰っすか、この子」
ぶっきらぼうに指を指し私を不思議そうな目で見る金田一さん。と先輩らしき人物
指ささなくたっていいじゃんか。
「清水名前ちゃん!今日やる烏野高校バレー部のマネージャーの妹ちゃんだよ☆」
「烏野のマネ…っつったらあの美人のですか?」
「マジっすか!?美人なんすか!?」
「そーなのよ!ちょっとエロい感じでさ〜あ、あとそう言や……」
先輩らしき人物は、にやと歯を見せ笑い
「ガラの悪い奴いたな〜 ボーズで目つき悪くてさ〜」
あっ田中さんだなと察した
本当はいい人で誰よりも仲間思いのいい人なんだけど、そりゃ周りからはそう見えるか。
「アッタマ悪そうな顔した──……」
ちょっと、言い過ぎじゃない?
「それは──……」
文句を言おうとした瞬間
ぬるっと角から出てきたのは大きい目と坊主頭