第2章 新生活
とりあえず今日のテストに出る分の確認を終えた頃には、朝練の時間が迫っていた。
「今日そっちって英語あるか。」
「ううん、今日はないよー。」
「じゃあ悪い、ノートこのまま借りといてもいいか?」
「うん、平気だよ。役に立ちそうなら良かった。」
そう言って荷物をまとめて席を立つ。
「菜月。」
「ん?」
「これから少ししたら中間もあるし…他の教科も頼めないか。」
素直にそう頼まれると嫌だなんて言えなくて。
…もともと嫌だなんて思ってはいないんだけれど。
影山くんに笑顔で返事をする。
「私で良ければ!」
それを見た影山くんは、少しだけ微笑んでくれた。
その時、私はふいに、また昨日のことを思い出してしまう。
これから朝練で他の部員の人たちと顔を合わせるのも恥ずかしい。
どうしたら良いか分からなくて、とりあえず影山くんより先に教室を出て走りだす。
「じゃあ…私、先に行ってるね!」
「あ、おい、待てよ!」