第1章 出会い
話題に上っていた3年生のマネージャーさんは今日は用事でお休みらしく、残念ながら姿は見られなかった。
コートサイドにパイプ椅子を一脚出してもらった私は、そこで見学することになった。
基礎練習が終わり、とうとうボールを使う練習へ。
さっき、西谷先輩に惚れるなよ、なんて冗談で言われたけれど、冗談とは思えないくらい本当に皆かっこよかった。
力強いスパイク。
それを正確に受け止めるレシーブ。
はねかえすブロック。
的確にスパイカーにボールを送るトス。
中でも日向くんのジャンプ力とすばしっこさ、影山くんのトスの正確性には目を見張るものがあった。
二人の速攻は、ブロックが反応する暇も与えないほどのものになるんだろうな。
練習を見ながら、そんなことを考えていた。