第1章 出会い
「うおーっ!!!」
「ど、どうしたノヤっさん!」
「美しい潔子さんに可愛い1年ガールっ!烏野排球部最強なり!!!」
「いやいやそんな、可愛いだなんて…」
「おい、1年生をあんまり困らせるなよ。入部前に逃げられるぞ。」
「そうだぞー、田中と西谷に手を焼いたら俺のとこに来な。助けてやるから。」
大地さんが2年生を諭した後、菅原さんが私に優しくそう言った。
面倒見のいい、優しい先輩だなあ…と心がほっこり温かくなる。
「あ、自己紹介が遅れたけど、俺は3年で部長の澤村大地だ。よろしく。」
「よろしくお願いします!私は水沢菜月です!」
挨拶を終えたところで、日向くんが戻ってきた。
「うおおおおっ入部してきましたー!!!」
「お、帰ってきた帰ってきた!おーい日向、部長が来たぞ!」
菅原先輩に手招きされて、こちらへと駆け寄ってきた日向くんは部長に頭を下げた。
そして自己紹介と挨拶。
春はこれの繰り返しな気がする。
自分の名前を一番多く言う季節って春なんじゃないだろうか。
そんなことを考えているうちに人数が揃ったのか、練習が始まる流れになった。