第1章 出会い
その後も体育館内で練習の準備をしている様子を眺めていると、ちらほらと他の部員も集まり始めた。
「おー、やってるやってる」
「あ、大地、おせーぞー!もう新入部員候補が数人来てるんだからな!」
菅原先輩に大地と呼ばれたその人は、言われなくても部長さんかな?と思わせる風格と威厳があった。
「君はマネージャー希望かな?もしかして清水が声かけた子だったりして」
「ごめん大地、そのくだりもう一通り終わったんだ。彼女はマネージャー希望だけど、新入部員の1年が連れてきたんだよ。んで、今日は見学。してくんだよね?」
「はっ…はい!!」
菅原先輩のおかげで何回も同じやり取りをしなくて済みそうだ。
あと何人やってくるのかも分からないし、すごくありがたい。
「「ヘイ!1年ガール!ヘイ!!」」
声の方を見ると、二人の先輩らしき人が目をキラキラさせて立っていた。
「ようこそ烏野高校排球部へ!!俺は2年の田中だ!田中先輩と呼んでくれ!!」
「女子が増えるのは本当にありがたいことだ…!同じく2年、西谷だ!1年ガールよ…スーパーリベロのこの俺に惚れるなよ?」
どう反応していいか困っていると、また菅原先輩が助けてくれる。
「ごめんなー、バカで。適当にあしらっていいからな!」
「スガさーんそりゃないっすよー」
「…あははっ」
思わず笑ってしまう。
何だか面白そうな人たちだ。
「「「「…………」」」」」
「…え?あ、あれっ…ごめんなさい!私笑ったりして…」
気付けば先輩たちに笑っているところを凝視されていた。