第15章 月島くん。
思えば、ここ最近の私はずっと月島くんのことばかり考えていた。
笑顔が見たいと、あの手この手で彼を笑わそうと画策したり。
彼の好きな音楽の話題で気を引こうと試みたり。
どんなチョコを作れば喜んでくれるかな。
おいしいって言ってくれるかな。
月島くん。
月島くん。
今だって私、こんなに必死になってあなたのことばかり考えてる。
他の人のことが好きだなんて思ってほしくない。
「私、月島くんが好きなの!!」
「は………?」
月島くんは怪訝な表情で私を見下ろしてくる。
「やめてくれる、そういうの。月島違いとか、ほんと笑えないから。」
「違うよ………」
尚も拒絶の姿勢を貫く彼の様子に、私は絶望しそうになる。
でも、ちゃんと伝えなきゃ。
分かってもらいたい。
私の気持ち。
「蛍くんが、好きなの……」
「………………!」
「お兄さんとは、さっきたまたま同じ電車に乗ってただけなんだよ。信じて……。私が好きなのは、蛍くんなの。」
「……………。」
「ここ最近ね。気が付いたらずっと蛍くんのこと考えてる。」