第14章 大地さん。
そして、引退試合当日。
久しぶりに体育館に集まった3年生組を見て、私達後輩は喜びと寂しさの両方を抱えていた。
彼そのものを現すような安定した素晴らしいレシーブを、目に焼き付ける。
大地さんがここにいたことを、私は絶対忘れない。
試合が終わるまで、息をするのも忘れるように、私は彼から片時も目が離せなかった。
試合のあとは、皆で3年生の追い出し会と称した食事会が行われることになっていた。
お店の予約時間までまだ少し余裕があったので、皆は3年生を囲んで色々と話をしている。
皆には悪いけど私、大地さんに大事な話があるから。
少しだけキャプテンを貸してください。
そう思い、私は意を決して大地さんに声をかけた。
「大地さん、あの………。」
「ん?」
「ちょっとだけ、いいですか。」