第2章 新生活
「コーチか…熱血バカなやつじゃないといいな」
「なんかバレーのコーチって何となくそういうイメージ私もある」
そう言って笑っていると、体育館の入口付近をうろつく、金髪が視界に入った。
「えっ……」
瞬時に体が固まる。
あれってこの間の不審人物じゃないだろうか。
「…何?どうかしたの?」
「いや…あそこの金髪の人がね、この間校舎内をうろついてて声かけられて…」
「はあ?!」
珍しくとても驚いた様子の月島くん。
「それで、大丈夫だったわけ?」
「あ、うん。影山くんが助けてくれたから。」
「ふーん…影山がね。」
影山くんの名前を出すと、月島くんは不機嫌さを丸出しにする。
影山くんは禁句だった、失敗してしまった。
「とりあえず部室に入るまで僕の後ろに隠れてれば。学校関係者なのかもしれないけど、確かなことは分からないしね。」
「あ、ありがと…」
お言葉に甘えて長身の月島くんの後ろに隠れさせてもらう。
そのまま体育館前を通りすぎようとしたところで、例の金髪の人に声をかけられた。
「あ、おい!もしかしてお前バレー部か?」
声をかけられた月島くんは、後ろにいる私をかばいながら返答を返した。
「そうですけど。…だったらなんですか。」
「俺は今日からバレー部のコーチをやることになった烏養だ。よろしくな。」
「……!」
「えええー!!」